SCHUTZENGEL ~守護天使~
「貴様! 四大元素を操るとは一体何者だ!?」

 あっという間に形勢が逆転し、ファリスはデイトリアに向かって声を張り上げた。

「次に同じ手を使えばただではすまさん」

 その問いには答えず、鋭く赤い瞳を向ける。

 刺すような視線は奥底の恐怖までをも駆り立てるのかファリスのこめみから冷や汗が垂れる。

「ちょっと、だめじゃん。どうすんのよ」

 マリレーヌに背中をこづかれる。

「ひとまず退きましょう」

 ファリスは悔しげに奥歯を噛み、小さくつぶやいた。

 ここまでの相手とは予想していなかった自分の完全な敗北だ。

「ええっ!? もう~」

 マリレーヌは仕方なく残った魔物を引き連れてファリスと消え去る。

 あっという間の出来事に人々は呆然とするもしかし、
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