SCHUTZENGEL ~守護天使~
「生憎とそれを待ってやるほど私はお人好しではない。貴様が死ねば全ては終わりだ。あの男は力はあっても上に立つ気は無い」

「そうですね、彼はきっと私の代わりにはなってくれないでしょう」

 魔王の腕の一振りで、どれ程の仲間が倒れるだろうか。

 悔しいが、魔王に太刀打ち出来る者はこのなかにはいない。

「久住!? よしなさい。メイシャ、トーレス!」

 キャステルは、自分の盾になろうとする霊術士たちに声を荒げる。

 それでも久住たちはそこから退こうとはしなかった。

「あんたがいなくなったら人間はおしまいなんだ」

「俺たちの犠牲なんか気にしてる場合じゃないだろ」

「いけません!」

 そんなやり取りを薄笑いで見やる魔王の背後に、ふいに静かな気の流れが現れた。
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