SCHUTZENGEL ~守護天使~
「例えば」

「うっ──!?」

「エルミ!?」 

 ルーインは素早くエルミの体を抱き寄せ、その唇を奪う。

 ほんの数秒だったが、勇介にはひどく長い時間に思えた。

「離せ!」

 男は抵抗するエルミを抱き寄せながら勇介に語りかける。

「この女も力を手にすればお前のものだ」

 勇介はその言葉に一瞬、眉を寄せた。

 どうしても手に入らない事が解っている相手だ、少しくらい心が動いても仕方がない。

「なにをバカなっ!」

 エルミは声を張り上げて男の腕を振り払い飛び退いた。
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