SCHUTZENGEL ~守護天使~

 逃げるように帰ってきた勇介は、ばつの悪そうに向かいに腰掛けているエルミを見つめた。

「その、ごめん」

「何が?」

 勇介の入れた紅茶をのんびり味わいながら聞き返す。

「俺が君の忠告に従わないで残業したばかりに」

「ああ、そのことね」 

 ゆっくりとカップをテーブルの上に戻し続けた。

「怪我もないし構わないわ。予想はしていたもの」

 しれっと発したエルミに、「え」と目を丸くする。

「まさかルーインが先陣を切るとは思わなかったけれど、まだ自分の置かれている状況を認識できないでいるのでしょう?」

「う、それは……」

 図星だ。
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