SCHUTZENGEL ~守護天使~
「あの人は元気? 相変わらずおカタイ性格なんでしょうね。本当は会いに行きたいんだけど、私なんかじゃ無理だし」

「会えばいつも口うるさくてね」

 デイトリアの言葉に笑みを浮かべる。

 しかし、

「何故、私を呼んだ」

「え?」

 エルミのカップが微かに揺れる。

「あなたは強いし、人間として生活しているからユウをまかせられると思ったのよ」

 見つめる赤い瞳から視線を外し動揺していないように装うが、明らかに彼女は動揺していた。

「私を選ぶ事はなかったはずだ」

 無表情ながらもその声にはエルミに対する疑問の色が窺えた。
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