SCHUTZENGEL ~守護天使~
「そんなことは──っ」

「なに? どうしたの」

 ティカップを手に戻ってきた勇介は二人の間に何かあったのかと眉を寄せた。

「できるだけサポートはする。彼女にも言われたとは思うが自身で心掛けてもらわねばこちらとしても守るに守れん」

 カップを受け取ったデイトリアが勇介を見やり、ゆっくりと口を開いた。
「ああ、わかってる」

 勇介は二度言われたことになり、不満げに応える。

 同じことを言われるのは好きじゃない。

「それじゃあ私はこれで」

「え!?」

 初対面の相手と二人きり?

 それにエルミはどこへ?

「彼女はもともと人間とはあまり接する事はない。お前を守るためにあちこち動きまわらねばならない」
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