SCHUTZENGEL ~守護天使~
「だったら──」

 彼が行けばいいんじゃと言いかけて間際に止める。

 言葉にはしなかったものの、考えはしっかり読まれていた。

「私は彼女ほど顔が広くなくてね。人間の友人なら多いのだが、それ以外となるとやはり彼女が動いた方が確実だ」

「そうか」

「大丈夫よ、すぐに仲良くなるわ」

 勇介の不安げな顔に笑みを見せる。

 そうして玄関に向かうエルミに勇介も続いた。

「ユウ、彼の言うことを良く聞いてね。あの人はきっとユウのために自分の身を盾にすらしてくれるから」

 そんな彼女の表情は何故か切なげに見えた。
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