SCHUTZENGEL ~守護天使~
 二十五か二十六歳くらいだと思っていたけど違うのか?

 デイは一体、何歳なんだ?

 いや、それよりもデイはそれを続けて来たのか?

 人間をずっと守り続けているのに、それを誰にも知られずにいて、そして黙って仲良くなった人たちの前から消えていってしまうのか?

「それでデイは平気なの? すっぱりと断ち切れるものなのか?」

 その問いかけに、デイトリアの赤い瞳が少し陰ったように見えた。

 勇介にはそう見えただけかもしれないが、変わらない表情にその目だけが少しの憂いを帯びているように感じられた。

「知り合ったという記憶が消える事はない。相手が忘れ去り、死を迎えたとしても──」

 私の記憶は消える事はない。

 私の存在など確固たるものでなくても構わないのだよ。
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