浅葱色の羽織と共に……─時を越えた誠の愛─沖田総司ver
「でもさ、この刀があればタイムスリップも出来る気がしねぇか?」
「そうか?俺は思わないけど」
「夢がないな。川崎は」
「でも、なんで買わなきゃいけないって思ったんだろうね」
「うーん。それが未だにわからないんだよ。なんでだろう……」
「そんなこと、どうだっていいじゃん。……なあ、試してみねぇか?」
「試す?何を?」
「この刀でタイムスリップ出来るか」
「は?何言ってんの?佐伯」
「こんな何の力もなさそうなところじゃなくて……。そうだな……丘の上にある桜の木の下とかで」
「うーん。タイムスリップとか、信じないけど……面白そうだからやってみようよ!」
「本気?千華」
「うん。もちろん」
「でも、もし万が一本当にタイムスリップしたらどうやって戻って来るんだよ」
「それは行く時と同じでいいんじゃないか?」
「いや、私は逆に振らないとダメな気がする」
「お、あいちゃん。なんで?」
「考え方だろうけど。もし上から下にやって過去にタイムスリップしたんなら、下から上にやらないと未来には行かないんじゃないかな?」
「……なるほど。考え方としては合ってるかもな」
「とりあえず、今度の休みは丘の上に集合な。その刀も忘れんなよ」
「うん」
「わかった」
「ったく、しょうがねーな」
「了解ー」









こうして、五人は週末に丘の上にある桜の木に集まることになった。

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