冷蔵庫の穴
12
眠らなかった。
あたしは眠くならなかった。
いつ夜が明けたんだろう。
何日経ったんだろう。
ボロボロの両手は
『虚』
に潜む何かを目指し、
止まらなかった。
気付けば目の前にあった扉のあの穴は、
冷凍室の扉
一面の大きさにまでなっていた。
塗装を剥がしているうち、
何度か指や、
時には手首まで
『虚』の内側に浸してしまった。
しかし、
あたしの肌に異常はみられない。
あたしは
『虚』
を冷静に見られるようになっていた。
爪で弾くと滑らかな波紋が広がる。
何とも言い様の無い色の冷凍庫の扉は、
案外
インテリア
としては
シックな
気がしてきた。
あたしは眠くならなかった。
いつ夜が明けたんだろう。
何日経ったんだろう。
ボロボロの両手は
『虚』
に潜む何かを目指し、
止まらなかった。
気付けば目の前にあった扉のあの穴は、
冷凍室の扉
一面の大きさにまでなっていた。
塗装を剥がしているうち、
何度か指や、
時には手首まで
『虚』の内側に浸してしまった。
しかし、
あたしの肌に異常はみられない。
あたしは
『虚』
を冷静に見られるようになっていた。
爪で弾くと滑らかな波紋が広がる。
何とも言い様の無い色の冷凍庫の扉は、
案外
インテリア
としては
シックな
気がしてきた。