副会長の秘密
亜稀 side
【亜稀 side】
えっと……えっと、何、これ…?
私はただ、副会長に写真を渡してさっさと帰るつもりだったのに……なんで、私…今………
副会長に拉致られてるのかな……?
「………あの、副会長?」
さっきから無言で歩いている副会長の背中に話し掛けてみるけど…
『ごめんだけど、俺について来て…?』
そう言われてから、何も言わなくなった。
副会長………ほんと、何したいんだろ…。
もう……そろそろ、ヤバイよ。
それに…さっきから握られている右手首が、熱いし…。
「…………。」
早く離してほしいなぁ…………。
私は小さくため息をつくと、また副会長の背中を見つめた。
「…………やっぱり」
旧校舎につくとなんとなく分かった。
私がどこに連れて行かれるのか
それは、きっと……旧校舎の3階の端にある『生徒会室』。
学園の皆が憧れる部屋だ…。
でも今の私には、憂鬱にしか感じれなくて………。