副会長の秘密
突然の『彼女になってよ』という謎の展開に発展してしまった私はというと…。
ひたすら、下を向いたまま俯いていた。
……………うう。
相変わらず、抱き寄せられたままで、離してもらえる雰囲気は感じない。
「ねえー……返事は?」
「………い、嫌です。っというか、離して下さい」
そう返事をすると、はあ…と上から溜息をつかれた。
だけど、何を思ったのか、応えるように副会長はすんなりと私から離れると。
「うーん…、もしかして離れた方が言いやすいのかな…水野ちゃん?」
「…………はいっ!?」
突拍子にとんでもないことを言って、近くの椅子にドカッと座った副会長。
もちろん、自信満々の態度で言うから…、私も拍子抜け……って感じ。
っというか私、そんなこと一言も言ってないよ!!?
「は…離れても…私そんなこと言わ…な…っ」
反論しようと、試みたもの虚しくも私が言い終わる前にまた言葉を遮られた。
「もう一度言うけど、俺の彼女になってよ。
…まあ、本気って訳じゃないし、ね?お試しってことで」
「は…………い、いやです!!嫌に決まってるじゃないですか」
えっと………意味がわからない。
なんで自分の秘密(?)をバラされたくないからって、私が副会長の彼女になんなきゃいけないの…!?
…くそう。
やっぱり副会長なんて大嫌いだ!!(泣)