副会長の秘密
やけくそでそう思いつつ副会長を睨んでいると、何か思いついたのかまた面白そうに笑って、
「うん、まあ…水野ちゃんがこっちに来てくれるなら、いいよっ♪」
とまあ、あっさり受け入れてくれた。
何を企んでいるのか分からないけど、とにかく今は、ここから離れないと階段から落ちちゃうし、
離れてすぐに教室に入れば誰かが(ファンの皆様方)が助けてくれるかもしれないから…。
……うん、やるしかないよね!!
そんな考えを思い巡らせながら一歩前に踏み出した瞬間、目の前からするりと腕が伸びてきた。
「…え」
「…はいっ、捕まえたっ♪
いやー、単純だねぇ。そんなんだと、変な人に連れて行かれちゃうよ?」
逃げる暇もないまま、私の目の前には笑顔の副会長がいて、
そう言いながらまた、あっさりと、右腕を掴まれた。
今度はしっかりと……。
「っ……な、なんで、また腕掴むんですかっ」
「だって逃げそうだし…?」
「に…逃げないですから、多分っ」
「えー…多分じゃん」
「じゃ…じゃあ絶対逃げませんからっ。離して下さい!」
「ええーー………………
…………やだ」
「………はい?」
こんなに嫌がってるのに、やだ……って言った…?
そう言ったよね………この人?