副会長の秘密
生徒会室に入ると、副会長はすんなりと部屋の真ん中にある大きな机の上に私を降ろしてくれた。
「はいっ、降りていいよ」
「…っ!!」
そう言われて、私はすぐに机から降りると、部屋の隅まで走っていった。
そんな様子を見ながら副会長は、またクスクスと笑っている。
「あははっ!水野ちゃんってホント見てて飽きないねー。…まあ、今はそんなことどーでもいいんだけどね♪」
そう言うと、私の方に身体を向けた副会長はギシリという音を立てて歩いてきた。
ちょ、ちょっと待って!!
なんでこっちに来るの!!?
これじゃ、逃げた意味がないじゃん!
近づいてくる副会長に慌てる私。
ヒンヤリとしている壁を背にしているせいで、追いつめられてるってことが分かりたくなくても分かってしまう。
どうしようっ!
このままじゃ、どうやっても逃げられない…!
「ちょ、ちょっと待って、…っというか止まって下さいっ!」
慌てて腕を振ってみるけど、副会長は笑顔のまま止まることなんてなくて、「やだね」なんて余裕の笑顔を見せる。