副会長の秘密
ゆっくりと顔を上げると、未だにクスクスと笑っている副会長がいて、私はそんな副会長をキッと睨んだ。
だけど、そんな小さな抵抗さえも副会長には効かないらしく、
「いやー、表情がコロコロ変わって面白いねぇ」
「…そ、それはっ、副会長のせ……いっ!!?」
「…………えいっ」
~~~~~~~~っ!!!?
な、何!?
言い終わる前に、しっかりと握られている腕がグイッと強い力で引っ張られて、
私はそのまま何かに飛び込んでしまった。
ものすごく嫌な予感がする…。
私は恐る恐る飛び込む拍子に閉じた瞼を開けると、目の前には黒のブレザーと、思わずつかんでしまった見覚えのあるセータ、そして満面な笑みの副会長がいた。
やややや、やっぱり(泣)
慌ててパッと掴んでしまった副会長のセーターを離すと、
一刻も目の前の副会長から離れようと両腕に力を込めた。
だけど、やっぱり副会長は男の人で、腕は相変わらずしっかりと掴んでいて、
逃げられないようにかもう片方の手は私の首に回して、これ以上後ろに下がれないようになっている。