副会長の秘密




……コンコン。



「こんにちわ、水野です。副会長に用事があって来ました」




相変わらず、静かな旧校舎は誰もいなくて、虚しく私の声が響いた。



「………。」




……けど



大きな扉からは何の返事も返って来なくて、何分かにらめっこ状態が続いた。




「…誰もいないのかな」



ふむ、と顔を傾げる私。



だけど、この緊張感はすぐに壊された。




「…あのー、誰かいませんかー………」




私は待ちきれなくなって、思い切ってそーっと扉を開けた。



だけど覗いた途端、



後ろからふぅっと生暖かい風が首にあたった。
そう、まるで息を吹き掛けられたかのような…。




「…ひゃっ」




ちょ、急に何っ!!!?




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