副会長の秘密
「ま、それに?今ので分かったこともあるしね」
「…へ」
顔を近づけてニッコリと笑った。
いやいや、そんな笑顔見せられても…ね
副会長が笑顔を見せる理由が分からず、あはは…と愛想笑いしかできなくて。
「へって……、ほんとに何も分からないの?」
「あ…当たり前じゃないですか」
いや、そんなこと言われても…
私は今の状況についていくのが精一杯で…分かるはずない。
だって、急に手を掴まれたと思ったら、頬を触られて、『何も分からない?』って言われても、さすがに分かるはずないでしょ。
超能力者じゃないんだし…。
むうっと黙ってる私を見て、副会長は小さくため息をつくと。
「…だから、今セクハラしたのはどのくらいその厄介な事情…、『男嫌い』が酷いのかなと思って試してみたんだけど…」
…せ、セクハラああああぁ!!!!?
「うん、思ってたより大丈夫そうかなあーって♪それに、一応それなりの対応もできてるし安心した」
「…な、何が!!!」
「あははっ、別に水野ちゃんが気にすることはないよ」
なぜか楽しそうにクスクスと笑う副会長。
謎が多くて、いつも笑顔なこの副会長。
笑顔だからこそ、何を考えているのか分からないし、表情が読みにくい。
だから、私は…………………。
「…副会長なんて、大っ嫌いです!!!」
「あははっ、分かってるよ、そんなこと♪」
ふいっと顔を反らすと、私の反応が面白かったのか副会長は再び笑い出したのだった。