副会長の秘密




秘かにほっと胸を撫で下ろす私。



だって、やっぱり…バレるのだけは避けたいんだよね……
いくらそれが山瀬くんだとしても…



ふう、と小さく溜め息をつく私とは逆に、「…あ!そういえばー」ってまた山瀬くんが話をし始めようとしたとき、



突然、「亜稀ちゃーーーん」という声が廊下の方から聞こえた。



…ん、みなちゃん…?



ゆっくりと聞こえる方を振り向くとそこには、走ってきたのか肩を上下に揺らしながら教室に入ってきたみなちゃんがいた。



「み、みなちゃん!!どうしたの!!?」



席を立つと急いでみなちゃんに近寄る。



「…亜稀ちゃん、わ、私…」



近くまでくると、涙を我慢しているのか、眼が潤んでいるのが見えた。



普段、あまり泣くところなんて見せないみなちゃんが、泣きそうになるということは…何かあったに違いないというのは間違いなくて、



とにかく、何があったのか聞くために、みなちゃんの頭を撫でて「どうしたの?」と優しく声をかけた。



「…あ、あのね、」

「う、うん」

「…たまたま職員室で見ちゃったんだけど、オリエンテーション合宿…亜稀ちゃんとグループ離れちゃったのっ!!」



…………へ
嘘だよね…!!?



「…まじ!!?」



泣きそうな声で私に向かって叫んだみなちゃん。思わず、私も驚きのあまりポカンとしてしまう。



だってそれは、
これからの私達にとって、すごく重要な情報で、グループのメンバーによっては、



地獄か天国かってなぐらい、その3日間が過酷なものになるからだ。





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