副会長の秘密
「…っ、私、今度こそ亜稀ちゃんと一緒だと思ってたのに」
「うん、私もだよ。…だってさ、しっかりアンケートに書いたのにね、私達」
そう、このオリエンテーション合宿には、アンケート用紙を出して参加することになっている。
だけど、内容が内容なので……
その中には1人だけ学年と男女問わずメンバーを書ける所があって、
書けば必ず一緒になれるって訳ではないけど、一緒になれる確率は少しだけ上がるのだ。
だって、去年はクラスの半分が書いた人と一緒になったらしいし……。
(…まあ、大半が佐々原兄弟だったらしいけど)
だから、去年も離れたから今年こそはっ!
……ってみなちゃんと書いたのに。
泣き止まないみなちゃんをよしよしと頭を撫でる。
「…でも、こればっかりはしょうがないよ、みなちゃん。来年一緒になれるように頑張ろう!」
「っ、うん」
「それに…、みなちゃんが不安だったら部屋を抜け出して、一緒にいてあげるし!ねっ」
そう言って、ニコっと笑ってみせると、涙目になりながらコクリとみなちゃんは頷いた。
それから、みなちゃんを近くの椅子に座らせると、少し落ち着いたのかいつもの様に笑顔を見せた。
「…さっきはごめんね、亜稀ちゃん」
久しぶりに泣いたのか、まだ目元が赤くなっている。
「ううん、そんなことないよ!みなちゃん。むしろ、教えてくれてありがとう」
「…う、うん」
さっきよりは落ち着いてきたけど、やっぱりなんかいつものみなちゃんとは違う気がする……。