副会長の秘密



あの日みなちゃんから報告を聞いた後、山瀬くんから質問攻めにあったけど、

『秘密でお願い!』ってみなちゃんに言われてるから、笑いで誤魔化し通した私。


山瀬くんは相変わらず、不満そうな顔をしてたけどこればっかりは誰にも言いえないよね。



そして、みなちゃんからの驚きの報告から1週間経って…。


とうとうオリエンテーション合宿の日が来てしまった。



―――――――――――
――――――――
―――――



「…とうとう来ちゃったね、亜稀ちゃん」

「う、うん。そうだね…」



私とみなちゃんは、目の前の光景にはぁと溜め息をついた。



去年の初参加からすると緊張はそこまでないけど、やっぱり全校生徒が集まると

迫力があって驚きの『すごい』という言葉しか出てこない……。



学園の正面の門には、1年から3年まで600人の生徒が集まっていた。


とりあえず、私とみなちゃんは荷物をバスに預けてきて、後は集合を待つだけにしておいた。


だって、後からになるとほら………



「あっ!…アオイくんだわっ!こっち向いてええぇー♡」
「京甫くんにアオイくーん!おはようございますっ!!」
「きゃああああぁ!こっち向いてええっ、京甫様♡」
「お2人とも、変わらずカッコイイですわ〜」



なんて、いつものように黄色い声が聞こえた。



…や、やっぱり。



佐々原兄弟が来ると、一斉に集まっちゃうから混雑して荷物をバスに預けられないのだ。




< 82 / 103 >

この作品をシェア

pagetop