副会長の秘密
はあ、良かった。
先に預けてて……!
ふう、と胸を撫で下ろしていると、隣のみなちゃんがファンの子の声にビクッと反応した。
「あ、亜稀ちゃん!私達も見に行きましょっ!」
「えっ、えっと、私は京甫先輩が見えないから、ここで待っとこうかなー!
ほらっ、それより副会長見るんでしょ?私のことはいいから、みなちゃん行っておいで」
そう言って分からないようにやんわりと断ると、私はアオイくんを見たがっているみなちゃんの背中を押した。
だけど、みなちゃんったら
――――ガシッ。
「…え」
「ふふっ!そんなの見なきゃ分からないじゃない。ほらっ、これから3日間の元気補給に行くよっ!亜稀ちゃん!!」
「ちょ…ちょっと待っ」
断る暇もないまま、グイッと腕を引っ張られてファンの子達が集まっている所に連れて行かれる。
連れてってくれるのは嬉しいけど…
なぜか今だけは副会長とは会いたくないっ!(泣)
ううっ、と気分が下がっている私とは逆に、みなちゃんはキラキラとした目で、ファンの子が集まっている先頭に走っていく。
もちろん、私も腕を掴まれているからみなちゃんの隣に並ぶように走った。