副会長の秘密
その後、5分も経たないうちに私とみなちゃんの目の前に佐々原兄弟が歩いてきた。
うわああああああぁ!
久しぶりに京甫先輩を間近で…見れるなんて!
笑顔で手を振って通る京甫先輩に、私はもうメロメロだ。
そんな私の隣にいるみなちゃんもすごく嬉しそうに笑っている。
そう……とにかく流れ的にはここまで、本当に良かったんだ。
丁度、京甫先輩の後ろで歩いている副会長が私とみなちゃんの目の前を通ったとき、
私が予想もしない……最悪な事が起きた。
「おはようっ♪今日も来てくれてありがとう!
………あーーっ!待って待って!!
えっと、確か……うん!そうだっ、永崎南ちゃん…だよね?」
「…えっ!な、なんで、私の名前」
急に私とみなちゃんの目の前を通りすぎたと思ったら、副会長は足を止めてくるりと向きを変えると、
私とみなちゃんに向けてニコッと人懐っこい笑顔を向け、みなちゃんに話しかけてきたのだ。
………っ、う、嘘でしょっ!!?
なんで話しかけてくるの!?
私は何が何だか分からなくて、口をパクパクすることしかできなくて。
いや、だって、普通はこんなタイミングで話しかけないよね??
普通は!
と、とにかく!
ここはファンの子達とかがいるから離れるためにみなちゃんを連れ出さないとっ!
そう思って隣を見ると、大好きな人である副会長にいきなり話しかけられたから、
頬を赤らめてぼーっとしているみなちゃんがいた。