副会長の秘密
んー、気持ちいいー!
木のお陰で日陰になっているから、ちょうどいい休憩場所になっている。
確か、去年もここに座ってたっけ……、なんてついもの耽ってしまう。
そう、去年は班は違ったけどみなちゃんと奇跡的に会えたんだったよね……
「…………。」
はああ、今頃みなちゃんどこ歩いてるんだろ……
みなちゃんへの不安が消えることなんてないけど、
一先ず、リュックからお弁当を取り出して、お昼をとることにした。
………パカッ。
今日のお弁当の中身は、おにぎり2つとおかずが少し。
去年は山登りだって聞いてたから、がっつり持ってきたら、山を降りるとき
お腹いっぱいすぎて死にそうになって………。
だから、去年の反省を生かして、お弁当はいつもより少なめにしたんだ。
「…いただきまーす」
なんて1人でそう言って、大好きな卵焼きを口に運ぼうとした……………
その瞬間だった。
『おっ!美味しそっ♪』と山瀬くんの声が急に隣から聞こえて、パクっと大好きな卵焼きを食べられてしまった。
…………っ、嘘でしょ…
楽しみにしてたのに……っ
ショック過ぎて言葉が出ず、ただ泣き目になりながら山瀬くんを睨んだ。
「うんうん。卵焼きはやっぱり美味しいなっ!水野ん家は甘党かー………って、あ、り…………怒ってらっしゃる!?」
嬉しそうにモグモグしながら感想まで述べていた山瀬くんは、私の視線に気づいたのかびっくりした顔をした。
いや、確かにお約束のパターンなのかも知れないけど、
ここで使わなくてもいいじゃん!!!!