片想
・ 疑惑
朝、出社するとアタシの机の上に置かれた傘――。
これは昨日の。
宮垣くんが置いてくれたのだろうか。
でも…。
傘を見ただけで思い出す。
ふと宮垣くんのほうを見ると
彼は…。
知らん顔して仕事をしている。
何もなかったように。
昨日のこと、
和水チーフに言うんだろうか。
アタシのこと、
言うんだろうか。
それだけは…。
どうしても。
だって
今まで
こうして
やってきたのに。