片想
「仕事も大変なのに…。
でもこちらとしてもそういうふうに褒めてもらうとすごく嬉しいよ」
「ありがとうございます」
アタシは和水チーフを喜ばすことができた、
ということが素直に嬉しかった。
本当に、本当に。
「こないだもそんな中での試験勉強なんて薬師さんは努力家だね。
エライと思うよ」
そんなふうに思われる人間じゃないけど。
全然偉くなんてない。
「そんなことないです…」
「これからもいろいろ大変かもしれないけど頑張って?」
「はい!
ありがとうございます」
アタシは頭を下げる。
泣きそうなくらいに嬉しい。