片想
…宮垣くんはいつもアタシに酷いことばかり言う、
いつもアタシを傷つける。
アタシばかり傷ついて、
アタシばかり泣いて、
アタシだけが世界一の不幸だと、
でもそれは。
そう思うことは。
ちょっと違うようにも思えた。
それまでキレイ事としていた和水チーフへの想い。
そう考えることで逃げていた、
隠していた、
本当のことから。
宮垣くんと出逢って現実と向き合っていかなければならないことを教えられたような、
そんな気もする。
ふと氷室さんの祖母さんに言われた言葉を思い出す。
―アナタは幸せになれるひとよ。―