片想
「いつも危なっかしいんだ…。
見てると…とても」
え…?
意外な彼の言葉にただ驚くばかりで…。
そして
何も会話もなくふたりの間に静かに時間だけが流れる。
しばらくして沈黙を破り、
再びゆっくりと彼は口を開いた。
「…昔、
好きになってはいけないひとを好きになったことがあった」
夜で暗くて。
こんな歩道橋の上じゃ街灯りも頼りなくて。
そのせいなのか一層、
彼の表情が
やるせなく、
哀しく。
今まで見たことないような。