片想
廊下に出てドアを閉め向き直り
「ありがとうございます」
アタシは小さな声で言った。
そしてドアの向こうにいるだろう、
彼に向かって深く深く頭をさげた。
アタシが思っている以上に彼はずっとオトナだ。
じゅうぶんに和水チーフのことが好きだけど。
それは
アタシが好きになったのは
和水チーフが家族に囲まれて幸せに暮らしていて、
そのうえで会社に来て仕事をしている彼なのだろう。
彼の家族がなければ今の彼は存在しない。