片想
・ 心配
「おはようございますー、
今日は暑くなりそうですね?」
舟岡さんが手を振って風を作りながらアタシに挨拶する。
「おはよう、ホント、
アタシ暑いの苦手だからなあ」
「そうそう、
お化粧くずれも気になって仕方ないし」
「ほら、そんなこと言ってる先から舟岡さんの額、
ちょっとテカってるかも?」
「え!嘘!」
そう言いながら彼女は焦ってカバンからハンカチと取り出す。
「冗談、冗談」
「もう、薬師さんー」
アタシたちは顔を合わせてくすくすと笑う。
いつもと同じ朝。
またこうして今日も1日が始まる。