片想

でも。

なんだか、
どうしてだか、

気になって彼の姿を盗み見してみる。


あの歩道橋で会ったとき以前に。

これまでまっすぐに彼を見たことあったっけ。


…ないか。

いつも逃げてるもんね、
アタシ。



「…もうすぐチャイム鳴るね?
朝礼の準備しなきゃ」

気持ちを切り替えるために、
自分のために、
ぽつりとアタシが言う。


「そうですね」

舟岡さんが答える。


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