片想

『薬師サン、
チョット元気ナイ?』


『ドウシテ?』


『ナントナク、
表情ノ雰囲気カラ…』

耳にハンデをもっている分、
彼女は相手を理解しようとするためか感性がとても鋭い。


『大丈夫』

あえてアタシはそう答える。

たぶん、
彼女には嘘は通用しない。


だから、

それなら、

何も言わないほうがいい。



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