片想
そして彼女は眩しそうに空を見上げゆっくり息を吐いて、
それから続けた。
「薬師さんに死んでしまいたいことある?
って聞いたことあったでしょ?」
アタシが自分のこと棚に上げて必死になって否定した…。
「…ホントにね、
本当に死んでしまいたいって思ったこと何回もあった。
うーん…。
初めて思ったのは世の中の音を失ってしまった直後だったかな。
しばらくは毎日毎日泣いて死んでしまいたいって思ってた」
穏やかに笑いながら話す彼女。
そのときはきっとアタシには計り知れないほどの悲しみと苦しみだろう。
アタシは彼女がひまわりのように笑う、
その頃からの彼女しか知らない。