片想
なんだ、
そうだったんだ。
もったいないことしたなあ。
それならアタシも早めに来ればよかった。
そしたらもっと一緒にいる時間が長かったのに。
それに…あれ?
企画室のひとが一緒って言ってたのに。
和水チーフひとり?
アタシは周りをきょろきょろと見渡す。
「ああ、
陶原…、企画室の奴は仕事が立て込んでこれなかったんだ。
日を改めてって言われたけど薬師さんにも声かけちゃったからね、
どうしてもって詳しい地図まで描いてもらった」
和水チーフひとりでいることを不思議に思ったアタシを察したのか彼はそう言って笑ってその描いてもらったという地図をアタシに見せた。