片想
・ 不安
「薬師さん、
14時になったら向こうのテーブル席に…。
えっと奥から2番目のところ、
来てくれる?」
和水チーフはアタシの席に来て時計を見ながら言った。
「はい…」
「少しでいいから。
僕も今の用件終わらせたら行くから。
えーっと遅くとも14時10分くらいまでには…。
あー15分か…」
アタシはくすくすと笑う。
「大丈夫です。
14時で待ってますから」
「ありがとう」
ホッとしたように和水チーフは答える。
仕事のことだろうな。
これがもし仕事のことじゃなかったらどんなに嬉しいだろう。
そんなのありえない。
でも仕事のことであってもこうして声かけてもらえることが嬉しいには変わりなかった。
少しのことで一喜一憂している。