片想




「ごめん、ちょっと席はずすね?」

隣の舟岡さんに声をかける。

彼女はこちらを向いて少し伸びをする。

「あ、さっき和水チーフと話てた件ですね?
了解です。
薬師さん宛ての電話はどうしましょうか?」


「うーん、
もうどうにか全部処理するからあとでかけなおすって答えてて?
…じゃあ、
もう5分前だし行ってくるね」


「わかりました、
いってらっしゃい」


アタシは立ち上がり席を離れる。


和水チーフ、
なんだか時間なさそうな感じだったからきっと遅れてくるだろうな。

慌ててやって来るだろう、
彼の姿を思い浮かべてひとり笑う。



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