brain core
「事件」
あたしは、それが何か気になって電車から降りた。運転手さんが大声であたしを呼んでいたが構ってる暇はなかった。
「……?」
何かを噛み砕く音が聞こえている。
「……」
「?!」
近づくと同時にそいつはすぐに距離を取る。
「!?……」
横たわっている人は腸と腕の骨がむき出しになっていた。
暗闇の中でそいつは目を光らせていた。
「皐月ちゃん!!」
「!?」
後ろからする剣さんの声にあたしはハッとした。
「大丈夫?」
「あ……はい……」
再び振り向くとあいつはもういなかった。
あいつは多分
あたしと同じだと思った。
翌朝
あたしはスタジオの屋上にいた。
寝転がって空を見ているあたしの目の前に新聞が覆い被される。
「おまえ、映ってるぞ、これ」
蓮だ。
「え?」
あたしはよく新聞を見つめた。
一面に昨日の地下鉄事件が載っていた。
「あ、ほんとだ」
「ほんとだ、じゃねぇよ!!なにしてんだよ一体」
「……あいつ、同じだと思う」
「は?」
「この犯人。あたしたちと同じ吸血鬼。だけど……猟奇的すぎる、どこかおかしかったんだ……」