brain core
「……」
こんなに人気なんだ……
あたしはもう一度チケットを見つめてニヤニヤした。
人間の世界に降りることさえも勇気がいるのに、ライブに参戦するだなんて昔では考えられなかった。
チケットを係の人に渡して中へ入る。
ドリンクチケットという物を貰ったが、分からないのでポケットへしまう。
会場は薄暗かった。
「おーい」
「え゛!?ちょ……」
あたしを呼んでいたのは蓮だ。
「何しにここに来てんの!?」
あたしは小声で蓮で話かけた。
「え?いやライブ見に」
「は?わけわかんないし……」
「と、いうのはついでだけど、ほらこれ、あれの正体がわかったんだよ。皐月が地下鉄で見たって言う」
「え?!……で、なんだったの?」
「ハーフね吸血鬼の仕業らしいけど」
「え゛……それあたし?」
「何でだよ(笑)未完全のハーフの吸血鬼。今はもう免疫がある親の吸血鬼が生まれる子供に母乳を与えるだろ?それで免疫ができていくわけだけど、ここ数年で産まれてすぐに母乳を与えられる事もなく病院からいなくなるって事があったらしい。親からは多分それだろうって睨んでるけど……な」
「病院て、あたしらの世界のだよね?」