brain core
「ああ」
「じゃあ、いなくなるって誘拐かなにか?」
「それが誘拐じゃないって言われてる。病院の幼児施設は警戒が厳重だし。ハーフは純血より早く成長するしな。現に皐月だって」
「う、うるさいな……あたしはいいから」
「飛んで、そのまま下の世界に行ったかだよな……」
「そんなこと……ありえる訳?」
蓮が持ってきた新聞の切れ端には病院の窓ガラスが粉々になっている写真が載っていた。
「未完全だから血を吸いに襲う……」
「丁度、この記事から数十年……未完全の成人吸血鬼がやってるとしか思えないけど……」
「あ……」
証明が消えて音楽が流れ始めメンバーが出て来ているのが見える。
それにしてもすごい人だ。
「!?」
倒れそうになるあたしの手を蓮は握ってくれていた。
「……!」
証明が明るくなってメンバーの顔が見えた。
あたしは息をのんだ。
真緒
「おつかれーい!!!あ、景ちゃんスティック投げへんかったん?」
「あ!?忘れとった!?」
「……あいついた」
「え?」
亜季はボソッと言うとみんなを見た。
「あー皐月ちゃん?」