brain core
「不審」



「あれ、例の事件のやつやっな」


「……俺、テレビでしかみてへんかったけど、あれすごいな!!!」
景と美月が血相かえて入ってきた。





「なにがあったん?」

「例の吸血鬼事件やって!!今、あっちで干からびてる死体見てきたん」
「は?干からびた死体!?」

そういえば最近、テレビでやってる事件の事かと俺は思った。

「にしても、皐月ちゃんたち、よくあんな観察できるもんやな」
「そやそや!男の子もいてたやんな、何や二人で話しとったけど」


「!?なにを?」

「さぁ……よぉ聞こえへんかったし……剣ちゃんのが近かったし、聞いてたんちゃう?」

美月がずっと俯いている剣に話かけた。が、剣はうつむいたままだった。

俺が話かけると顔をあげた。

「どないしてん?」

「あ、ああ……」


「?」



剣の様子が何だか帰ってきてからおかしかった。






























皐月





あたしと蓮はファミレスへ来ていた。



「よく食べられるな」

「え?食べておかないと、いつ襲われるかわかんないし」
「同類は襲わねぇだろ」

蓮はため息をついていたが何だか引っかかるものがあるらしい。



< 26 / 62 >

この作品をシェア

pagetop