brain core
「不審」
「あれ、例の事件のやつやっな」
「……俺、テレビでしかみてへんかったけど、あれすごいな!!!」
景と美月が血相かえて入ってきた。
「なにがあったん?」
「例の吸血鬼事件やって!!今、あっちで干からびてる死体見てきたん」
「は?干からびた死体!?」
そういえば最近、テレビでやってる事件の事かと俺は思った。
「にしても、皐月ちゃんたち、よくあんな観察できるもんやな」
「そやそや!男の子もいてたやんな、何や二人で話しとったけど」
「!?なにを?」
「さぁ……よぉ聞こえへんかったし……剣ちゃんのが近かったし、聞いてたんちゃう?」
美月がずっと俯いている剣に話かけた。が、剣はうつむいたままだった。
俺が話かけると顔をあげた。
「どないしてん?」
「あ、ああ……」
「?」
剣の様子が何だか帰ってきてからおかしかった。
皐月
あたしと蓮はファミレスへ来ていた。
「よく食べられるな」
「え?食べておかないと、いつ襲われるかわかんないし」
「同類は襲わねぇだろ」
蓮はため息をついていたが何だか引っかかるものがあるらしい。