brain core

「大丈夫です。ありがとうございます。」
「なんか用なん?」
「あ、真緒さんに呼ばれて……」
「真緒くんに?」
「じゃああたし行きま」

「待って!」
「!?」
剣さんはあたしの腕を掴む。
「……どうして屋上から来たん?どうやって?」
「え……」
「いつも屋上から入ってくるん見かけるから……どこから来てるん?」
「そ、それは……」
「さつきちゃん、あのライブハウス事件の時、死んだ人知り合いだったん?」

剣さんが掴む腕は少し痛かった。

「あ、あの……」
「俺あの時、さつきちゃんたちの会話聞いてん」
「!?」
あたしは目を丸くした。

まさか……昨日の蓮との会話……。あんな干からびた死体、こっちにきてから初めてみたもんだから蓮と会話するので必死で気がつかなかった。


「あの事件と関係してるん?」
「……」

あたしはずっと黙っていた。

だって、それしかできない。


「もしかして……皐月ちゃん吸血鬼……?」
「?!」

その言葉にあたしは固まる。























「……」


どうする?
殺(や)るしかないか?いや……今はまずいか……。



俺の足の下では、皐月は人間に腕を掴まれている。



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