brain core
俺の手を引く皐月ちゃんと俺を真緒くんは目を丸くして見ていた。
皐月
「あ、ごめんなさい」
屋上について、あたしはすぐに剣さんの手を離した。
「あ、いや……ええけど」
「事実は剣さんの言う通りです」
「え……」
「あたしは吸血鬼です。けれど、この事件を起こしたりしてません」
「……あ」
剣さんは口をポカンと開けていた。
「……」
そうですよね。その反応……
「まぁ……いきなりで信じてもらえないかもしれないかもしれませんけど」
「人間が信じるなんて無理にきまってる」
「!?」
ふてぶてしく上から降りてきたのは蓮だ。
「あ……今さっきの」
「あ、蓮って言います。あたしの幼なじみで」
「紹介すんな。とりあえず、この事は誰にも言わないって守れんのか?」
「ちょ……れ……蓮ってば!?」
剣さんに詰め寄る蓮をあたしは止めた。
「お前も、すぐ人間を甘く見る。特にこのバンドにはな」
「ちょ……なに言って……」
「ちょ……ちょっとちょっと」
いつの間にか剣さんが、あたしと蓮の口喧嘩を止めていた。