brain core



俺の手を引く皐月ちゃんと俺を真緒くんは目を丸くして見ていた。





















皐月





「あ、ごめんなさい」
屋上について、あたしはすぐに剣さんの手を離した。


「あ、いや……ええけど」

「事実は剣さんの言う通りです」





「え……」


「あたしは吸血鬼です。けれど、この事件を起こしたりしてません」

「……あ」

剣さんは口をポカンと開けていた。

「……」


そうですよね。その反応……
「まぁ……いきなりで信じてもらえないかもしれないかもしれませんけど」

「人間が信じるなんて無理にきまってる」
「!?」
ふてぶてしく上から降りてきたのは蓮だ。

「あ……今さっきの」

「あ、蓮って言います。あたしの幼なじみで」
「紹介すんな。とりあえず、この事は誰にも言わないって守れんのか?」
「ちょ……れ……蓮ってば!?」

剣さんに詰め寄る蓮をあたしは止めた。

「お前も、すぐ人間を甘く見る。特にこのバンドにはな」
「ちょ……なに言って……」
「ちょ……ちょっとちょっと」

いつの間にか剣さんが、あたしと蓮の口喧嘩を止めていた。











< 31 / 62 >

この作品をシェア

pagetop