brain core
景は手の震えが全然止まる気配がない。


「景ちゃん、今さっき狩ったばっかりやん」

「……そうなんやけど~……だんだん足りひんくなってきてん」
「……本物になれば、そういうのは無くなるらしいけどな」
「……」

「本物を殺れば……やけど……その前にハーフに勝てるわけがないけどな……」

「……二人ならどうや」
「まさか、やる気なん?」

「ああ……皐月ちゃんは本物やろな」
「さぁ……多分、本物だったらいいけどな」






















皐月








「結局、あいつは大丈夫そうだな」
蓮は小石を投げて遊んでいる。

「剣さんは……うん」
「てか、気になる事がある」
「何?」

「あのバンドメンバーに……いるな多分」


「は?!!」
あたしは目を見開いた。


「確かに匂いした。ハーフの」

「ハーフ……やっぱり、……犯人はハーフか」
「ハーフは純血のように制御出来ないからな。だから血を求める。それがだんだん欲求が短くなって我慢しきれない吸血鬼は純血を襲うだろな」

「?!それ、どうなるの?」


「完全にハーフから純血になれる一つの方法だが、ハーフは純血に勝てない。力も知能も全然違うからな」


「でもあたし…………!?」


「こんばんわ」

「?」



急に話かけられあたしと蓮は振り向いた。


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