brain core
「王族」
真緒
カチッとライターの火を付ける音。
俺は煙草を加えて煙を肺に入れた。と同時に後ろから、何か羽ばたく音が聞こえ振り向いた。
「!?……?皐月ちゃん?」
「!?真緒さん!?」皐月ちゃんは目を丸くしていたがそのまま降りてきた。
「本当やったんや……」
剣の言うてた事……。
皐月ちゃんは俺の表情を見て知ったんだという顔をしている。
「……聞いたんだ」
「ああ……一応……剣から、でもまさかそういう形でくるなんて思わへんくて少し戸惑ったんやけど……」
俺は苦笑いした。
人が空から降りてくるなんて考えられへん……
俺と皐月ちゃんはしばらく沈黙していたが、スタジオの方から大きな物音がしていた。
「?なんや……」
「……?」
皐月ちゃんと俺はスタジオの中へ入ると亜季が倒れていた。
「!!亜季?!」
「亜季さん?!」
二人で声をかけるが返事はない。
「どうしたんや一体……」
「……?」
「あれ~?まだいたんや~」
「?景ちゃん……それに美月。早く救急車呼ばな!!」
俺が携帯へ手をかけると美月が口を開いた。
「大丈夫やって!すぐ起きるて」
「そうそう~」
「は?」俺は訳がわからなかった。目の前に倒れている亜季は明らかに息をしていない。