brain core

「じゃあ解散してないじゃん!!!変なこと言わないでよね!」

「いやおまえが話聞いてないだけで、とりあえず探しものすんだか?」
「は?探しものこのバンドのことなんだけど?」

あたしは「なに言ってんの」という顔で見つめた。

「え、おまえマジで言ってんの?俺一応、おまえの親代わり的存在なんだが(笑)」

「ああそうだっけ?」


あたしの親は人間に殺された。

いやうん。
殺されたというか、あたしは人間と吸血鬼のハーフなわけで、半分は人間の血が入っている。
母親が吸血鬼、父親が人間。
けれど母親があたしを家で産んですぐに父親に殺されたらしい。
さすがのあたしは覚えてなんかいない。
その時、隣に暮らしていたのが蓮の家族だ。
蓮の家は純血の吸血鬼一家。父親と母親が研究者であり人間界に降りて、いろいろな研究をしていた。


蓮は、あっち世界であたしと暮らしているが、蓮の親にもいろいろお世話になっていた。



「じゃあこの……破りすてた紙のバンドは?」
蓮があたしが破りすてた紙の一部を拾う。

「あ、今さっきの人に聞いてみたらなにかわかるかな!?」
「え……!?ちょ……皐月!!?」

あたしは蓮の声を聞いている間もなく、真緒さんを追いかけた。

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