初恋LOVER


「あの…」



スタスタと、あたしの手を握ったまま、先輩は歩き続けてる。



「何だよ?」



「手を離してくれませんか?」



こんなところ、誰かに見られたら、どうしてくれるのよ。



「嫌だ」



「嫌って…。何でですか!?」



さすがに、ムッとして言い返す。



すると、先輩は立ち止まって、あたしの方を振り返った。



「だって離したら、お前オレから逃げるだろ?」



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