劣化コピー
細身の体に赤い縁のメガネをかけた
女子生徒。




その姿はまるでどこかのアニメの
パート2から出てきた新キャラの様。






「おお、なんだコスプレ委員長。
意見があるなら言っていいぞ」




ハゲ先生の言葉にすっと立ち上がる
委員長。






「先生、へんなあだ名はやめてもらえますか…






ところで先生は今
生のジャガイモを例に出して




青春の若さと可能性
そしてその未熟さを私たちに力説されているわけですよね?」






赤い顔をしてうなずくハゲ先生。




対して委員長は涼しい顔。




静かな口調で持論を展開。






「先生、劣化コピーという言葉をご存知ですか?




オリジナルをコピーし続けると




やがて字がつぶれ
読めなくなっていく現象。




またはその事物そのものを
総称してそう呼んでいます」






息をのむハゲ先生。




「そ、それがどうしたんだ?」






赤い縁の眼鏡の奥で
委員長の目がきらりと光る。






「劣化コピー。




それはあなたの姿そのもの」






静まり返る教室で
委員長の言葉だけが響き渡る。




教室中の目線を一身に集めた
ハゲ先生の瞳孔が開いていく。






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