くれいじーらぶ◆ヴァンパイア少女に詰め寄る貧血少年
保健室のベッドで口づけを交わした後、素早く喉元に牙を突き立て血をすすった。
頂いた後は暗示をかけて眠らせれば終わりのはずだったのに……
「俺の血はおいしかった?紅愛」
「……!?」
紗衣くんには全く暗示がかからなかった。
「今までいつもこんな事してたの?」
眉をひそめながら笑みを浮かべた、紗衣くんの舌があたしの唇を割って、入ってきた。
口の中に残る紗衣くんの甘い血を二人で分け合う。
「んっ」
「……許せないな。君の唇に触れたヤツらを片っ端から消してやりたいよ」
そう言って更に深く舌を差し込む。
(……こんなのおかしい!)
(何もかもおかしい!!)
不和紗衣が暗示にかからない事も、
あたしの交友関係に口を出す事も、
吸血鬼のあたしが人間の色香に惑わされる事も……。