くれいじーらぶ◆ヴァンパイア少女に詰め寄る貧血少年



予想では、あたしの嫌味に彼はハッとして我に返るとか、取り繕うような態度を取るかと思っていたの。





「余裕なんか……ある訳がない」



でも紗依くんは素直に告白した。



「君は何人もの男を手玉に取り血を得てきたヴァンパイアだし、君の正体と引き換えに手に入れた関係、それもヴァンパイアと餌の関係だ。いつ終わるとも知れない」



振り絞るような声は徐々に高らかに。



「必死だよ?悪い?」




そして自嘲気味な笑み。





あたしは彼の怒りが第二段階に入ったと感じた。


先ほどのイライラした印象よりも更にまがまがしい雰囲気を感じたから。






つまり紗依くんは……キレた。



意地なんて張らないでさっさと誤っておけば良かったのにあたしのバカ!


ヴァンパイアのあたしですら出したことのないような黒いオーラにゾッとしながら叫んでももう遅い。




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