くれいじーらぶ◆ヴァンパイア少女に詰め寄る貧血少年
「どーすんだ?悪魔払いすんなら手伝ってやろーかぁ?」
男は構えるあたしを見据えたまま紗依くんに聞いている。
紗依くんが何故あたしの術にかからなかったかようやくわかった。
エクソシストだったんだ。
あたし達の天敵。
一番出会ってはいけない相手。
なのに出会ってしまった。
……そして惹かれてしまった。
(……に、逃げなきゃ……!)
勝てる気が全くしない!
紗依くんにさえ術を破られているのに、ましてやもう一人余裕たっぷりの神父。
今逃げなきゃ確実に消される!
あたしは二人を睨み付けながらもジリジリと後退する。
その時、あたしの耳に響く声。
「逃げるの?」