くれいじーらぶ◆ヴァンパイア少女に詰め寄る貧血少年
教会に入ると途端に体が重く感じる。
生ぬるい空気が絡みついてくるような感じ。
「……ふぅ」
思わず息をつくと
「大丈夫?辛い?」
紗依くんが気遣ってくれる。
「……少し」
教会のシンボル、あの男の像があたしを見下ろしている。
高い造りの厳かな天井も、ステンドグラスを通して入ってくるカラフルな光も……、全てが不快。
「紗依くんなんて……嫌いよ」
体の辛さから思わず弱音を吐いた。
「紅愛……」
「あたしの事を振り回しておいて、結局裏切るし……大嫌い」
我慢していた涙がポロポロと落ちて教会の床を濡らした。
「俺は君が好きだよ」